ONLY YOU




 新しい年になって数日後の1月4日。日曜日の夜。
 大晦日から今日までの部屋で一緒に休みをすごしている僕たちは、リビングのソファに座って、テレビドラマを見ていた。
 ドラマがあと少しで終わる――と、その時。
「周助は…」
「ん?」
「周助は私の傍にいてくれるよね?離れないよね?」
 今にも泣き出しそうな声で、がそう訊いてきた。
 突然の質問を不思議に思いながら、僕は彼女の次の言葉を待った。
 するとは僕の胸に顔を埋めた。
「…私を独りにしないよね?」
 震える声で言ったを安心させるように彼女の背中に腕を回して、そっと抱きしめる。
「突然どうしたの?」
 の長い黒髪を撫でながら訊くと、彼女は顔を上げた。
「テレビの…」
 ポツリとの唇から呟きが漏れる。
 続きを促すように、彼女の言葉を繰り返す。
「テレビがどうかしたの?」
 二人で見ていたのは去年の夏頃放送されていたドラマの特別編で、 が職場でお薦めだから見てみて、と言われたものだった。
 僕はドラマはほとんど見ないけど、これは由美子姉さんに付き合わされて見ていたから、だいたいの内容は覚えている。
「…年上だとダメなのかな?上手くいかないのかな?」
、何を言ってるの?」
「このドラマみたいに…なっちゃうのかな?」
 の言い方は要領を得なかったが、ドラマのラストシーンのが気になって仕方がない、というのはわかった。
 主役の二人は女性は社会人、男性は高校生。
 僕たちの境遇と同じ。
 恋人たちは三年付き合っていたけど、結局別れてしまって二人は違う道を歩む。
 そんなストーリーで展開された特別編を見てが不安にならないはずはなかった。
 それを途中で気づかず、最後まで見てしまった自分の愚かさが腹立たしい。
 でもそんなことを後悔するより、目の前ののほうがとても大切だから。
 を嫌うなんて、宇宙が滅んでもありえない。
 こんなに愛しているのに、嫌いになれる筈がない。
 日毎に想いは募って、大きくなるばかりなのに。
 それを伝えたくて、僕は両手での頬を包み込んだ。
 の黒い瞳に僕の顔が映っているのを確認できる距離まで近づく。
「ならないよ。僕たちはそんなことにはならない」
「ならない?」
「うん、ならないよ。は僕が嫌い?」
「好きよ…大好き。泣きたくなるくらい、周助が好き」
「僕もだよ。が好きで好きでたまらない。だから、大丈夫だよ」
 言いながら、彼女の額にキスを落とす。
「周助…」
「絶対に独りにしないよ。約束する」
 言うとは安心したのかふわっと微笑んだ。
「周助…愛してるわ」
 の唇が軽く触れて離れた。
 の黒い瞳が熱をもって僕を見つめる。その視線に応えるように、彼女の桜色の唇にキスをした。
 柔らかい唇に貪るように深くキスをして、舌を絡めて、彼女の吐息ごと全てを奪うように、何度もキスを繰り返した。
 名残惜しくも唇を放すと、二人を繋ぐように細い銀糸が紡がれた。
  が潤んだ瞳で僕を見上げる。
「周助。わたし…」
「うん。僕もが欲しい」
  の細い体を横抱きに抱き上げて、寝室へ向かった。


 ベッドサイドの小さな明かりを灯して、 をベッドの上にそっと下ろす。
 彼女に覆いかぶさって、華奢な体を覆う洋服を脱がせながら、露になっていく首に、鎖骨に、胸に唇を這わせ、強く吸い上げて僕のシルシを刻み付ける。
「っ…んッ…っ」
 僕の手が、唇が、白い肌に触れる度に甘い声が響く。
 白いふくらみを焦らすようにゆっくり揉むと、感じている証拠というように、蕾が立ち上がる。
 その蕾を指で摘んでこねると、の声は更に甘さを増した。
「やっ、だ…ッ…」
 そう声が上がった。
 でも嫌がっていないことは知ってるよ。
 そんなに可愛い声を出されて、やめることなんてできない。
 指での刺激をやめて、かわりに舌で転がすように舐め上げて、口に含んで軽く歯を立てると、白い体がビクリとしなる。
「気持ちいい?」
 の羞恥を煽るのをわかっていてあえて訊いた。
 するとはイヤイヤをするように、首を左右に振る。
 まるでこどもがだだをこねるような、そんな仕種が可愛くて、たまらなく愛しい。
 そして、白いシーツに広がる真っ黒な髪が、更に理性を煽る。
 細い体をゆっくりなぞり、桜色に染まった肌の性感帯に愛撫を施しながら、手を下肢にむかって這わせる。
 もともと敏感なは、さっきからの刺激だけで、すでに蜜壷をしっとり濡らしていた。
 甘い香りの蜜はの太腿を伝う程に溢れだしている。
「クスッ。まだ触ってないのに、すごく濡れてる」
「やッ…言わな…でっ…」
 赤く染まった頬を隠すように、は両手で顔を覆った。
「恥ずかしがらなくていいのに。それだけ僕を感じてくれてるってことだろ」
 蜜壷に唇を寄せてフッと息を吹き掛けると、ビクンと身体が跳ねた。
「フフッ。可愛い、
 伸縮を繰り返し、次の刺激を待つそこに指を挿れると、卑猥な水音をさせながらすぐに付け根まで飲み込んだ。
 僕の指を気に入ってくれてるのだと思うと、頬が緩む。
 中に挿れる指の数を増やし、 の弱い所を3本の指の腹と爪の甲で攻める。
「…ぁんっ…はああんっ…しゅ…うっ…あンッ」
「すごいね、
 の中から甘い香りの蜜がどんどん溢れだし、僕の手を濡らす。
 淫らに甘い嬌声を上げるをもっと乱れさせたくなって、挿れた指をバラバラに動かす。
「ひあっ…そ…なにしな…でぇ…おかしくな…っちゃ…ッ」
「クスッ、そんなに気持ちいい?嬉しいな」
「やあっ…っああんッ…もっ…ダメ…ぇ」
 の吐息が荒くなってきた。
 それと同時に彼女の中が指をきつく締め付けてくる。
 彼女の限界が近いのを感じ取り、指の動きを早めて、叢に隠れている充血した蕾を舌で突いて、口に咥えてきつく吸い上げた。
「ひあっん…ッ…」
 は高い悲鳴を上げて、桜色に染まった肢体を仰け反らせた。


 暖房の入っていない室内に、白い息が上がっては消える。
 その息とともに甘い嬌声が上がり、僕の余裕を奪っていく。
「しゅう…っんっ…はぁん…ッ…しゅうすけぇっ」
 の中の感じる所を楔の先端で、抉るように攻め上げる。
 細い体を揺すりあげる度に、小さいけれど形のいい乳房が薄明かりに揺れる。
「ああっん…ッしゅ…すけ…っ」
…ッ」
「ひあっ…んっ…んぅ…」
 腰を打ち付ける度にの甘い嬌声が響き、僕の理性を奪う。
「もっと…ッ…聞かせて…っ」
 大きく開かせた細い脚を肩にかけて、もっと深く彼女と繋がれる体勢になる。
 蜜が溢れ出る花芯へ真上から攻める。
 熱くなった楔を根元まで打ち込んでは引き、引いては打ち込んで、を絶頂に導く。
「ああっ…しゅうっ…しゅ、すけぇっ…はぁんっ」
ッ…もっと僕を求めて…っ」
 僕の名前を呼びながら、の細い腕が縋るように絡み付く。
 愛しさに眩暈がおきそうになりながら、ぐっと強く奥を突き上げた。
「ひああっ…あ…あんッ…いッ…くぅ…」
 背中に回された細い腕が、僕の身体をギュッと抱きしめた。
 彼女の花芯が蠢き、僕の楔をきついほどに締め付ける。
「もっ…いッちゃ…しゅう…っしゅうすけぇっ」
 閉じられた黒い瞳から溢れる涙が、動きに合わせて宙を舞う。
 が限界なのをわかっていながら彼女から求めて欲しくて、わざと動きを止める。
 すると彼女の瞳が切な気に細められた。
 黒い瞳に涙を浮かべて、僕の望む声が薔薇色の唇で紡がれる。
「んっ…しゅ…すけっ…おねが…もっ…ッ」
「もう、なに?ちゃんと聞かせて?」
「おねが…っ…いきた…のっ…いかせてっ…しゅう…っ」
 甘い声で懇願されて、これ以上焦らせることはできなかった。
 なにより僕自身が限界だった。
ッ…愛してる」
 一度入口まで引き抜いた楔を一気に最奥まで打ち付ける。
「ああーーーーッ」
「…くっ…う」
 の強い締めつけに思わず唸った。それと同時に彼女の中に熱いネツを放った。


 気を失ったは、少しすると意識を取り戻した。
「…っ…しゅう…ッ」
 僕の名前を呼んで、が抱きついてきた。
 それを受け止めて優しく声をかける。
「どうしたの?まだ不安?」
「…きなの。好きなの。あなたが好き」
 黒い瞳を潤ませて言うがとても愛しい。
 目元に浮かぶ涙を舌ですくい拭い取った。
 赤く色付く唇にキスを落とす。
、愛してる。一生離さないよ」
「うん」
 小さく頷く恋人があまりにも可愛くて、の中に入れたままの楔がドクンと脈打った。
 にもそれが伝わったようで、頬を赤く染めた。
 そんな彼女の耳元に唇を寄せる。
「もう一回してもいい?」
 愛し足りない、と囁くと、は耳まで赤く染めて僕にキスをした。
 そんな可愛い返事をされると、また手加減できそうにない。
「愛してるよ、
 の細い体を抱きしめて、柔らかな唇に熱いキスをする。
 僕のことしか見えなくなるように。
 僕でいっぱいになるように。
 深く、強く、に愛を注ぐ。


 僕が愛しているのはだけだよ

 過去も今も未来も

 僕には君しかいない

 しか愛せない


「愛してる、僕の

 白濁の中へ意識を溶かしたの耳元で囁いて、誓いのキスで彼女の吐息を奪った。




END

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藤名 翠様 主催【Love is all】冬期間・裏用に投稿


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