answer -Fuji ver- 昼休み。天気がよく青空が広がっていたから、弁当を食べたあと不二はと屋上へ来た。 校庭の隅に植えられた桜の、すっかり青葉だけとなった姿が眼下に見える。 屋上からはテニスコートも見え、誰かが練習している姿があった。 学校が見渡せる屋上には、すでに数人の生徒がいた。話をしていたり、弁当を食べていたり、読書をしていたりと過ごし方は人それぞれだ。なかには気持ちよさそうに昼寝をしている生徒――不二の後輩、越前の姿もあった。顔に帽子をかぶせていて見えないけれど、寝ていると判断するのは、ひとえにいつもの越前の行動ゆえである。 かすかな風が頬を撫でる中、二人は陽当たりのいい場所へ移動した。 屋上を囲うフェンスを背にした不二が、思い出したように言った。 「昨日ミスドに行ったら、ハートの形のドーナツがあったよ」 「え?不二くんミスドなんて行くの?」 は顔に意外と書いて、黒い瞳を丸くした。 なんとなく不二から想像がつきにくいというか、結びつかない店の名前だなと思った。 驚いているに不二は首を緩く横に振る。 「いや、英二に付き合って初めて行ったんだ」 「あ、それなら納得」 不二一人では行きそうにないけれど、菊丸に付き合って行ったのなら納得がいく。 「初めてのミスドはどうだった?」 「とならまた行ってみたいな」 不二はにっこり微笑んでさらりと言った。 「え…」 不意打ちの言葉にの白い頬がほんのり赤く染まる。 可愛らしい彼女の反応に、不二はクスッと微笑んだ。 END 千春さんがTwitterでミスドにハートの形のドーナツがあったと呟いていらして、 ”このキャラなら○○する”と言ってらしたのを、ドリームにしました。 BACK |