「わぁ…ブレスレットね」

 不二がお返しにくれたものは、シルバーチェーンに小さな紫色の石がついたブレスレットだった。
  はブレスレットをそっと掌に乗せた。

「これってアメジスト?」

「ううん。この石はバイオレットジルコンって言うんだ」

 耳馴染みのない宝石の名前に、 は考え込むように首を傾げた。
 その仕種に不二はクスッと笑って。

の誕生日石だよ」

「誕生日石?」

「うん。366日すべてに誕生日石っていうのがあるんだ。
 自分の誕生日石を身につけると、幸せになれるんだって」

「そうなの? 周くんは何でも知ってるのね」

  が感心したようにそう言った。
 すると。

「実はね、姉さんの受け売りなんだ。
 でも、コレを選んだのは僕の意思だよ。君に幸せになって欲しいから」

「・・・私、十分幸せよ。周くんが傍にいてくれるから」

 そう言いながら、 の白い頬は見る間に赤く染まってゆく。
 そして彼女は耳までも赤く染めると、恥ずかしさに俯いてしまった。
 そんな恋人がたまらなく愛しくて、不二は幸せそうに微笑んだ。

「そんなに可愛いコト言われると、離したくなくなるよ…」

 その言葉通り、不二は を朝まで離さなかった。


 


「おはよう、 。よく眠れた?」

「うん…」

「クスッ。ちょっとムリさせちゃったかな?」

「や、もうっ…周くんのエッチ!」

「ごめんごめん。機嫌直して、ね?」

 不二は の額に軽くキスをした。

 そして、今日もまた蕩けるように甘い一日がスタートした。


 

 

 

END

誕生日石の設定を変えられなくてスミマセン(汗)
バレバレかと思いますが、作中のバイオレットジルコンは私の誕生日石です。
や、ただなんとなく頭に浮かんだんですよ、誕生日石ネタが。
ラストが裏っぽいのは、書きたくなったから(苦笑)

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