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 Be in love




 腕の中にある温かな身体。

 何よりも大事で、大切な愛しい恋人の寝顔。

 初めて見たのは、高校一年の12月。

 その日のことは鮮明に覚えている――




 ベッドの枕元の棚に置いてあるアナログ時計に目を遣ると、短針が9時を差していた。
 周助は自分と同じようにベッドに背を預け、寄り添って座りサボテンの本を読む恋人に声をかける。
、帰りが遅いとご両親が心配するよ。家まで送っていくから帰ったほうがいい」
 は本から周助へ視線を向け、首を横に振った。
「もっと周くんと一緒にいたい」
「僕だってもっとと一緒にいたいよ」
「それなら…」
「でも、今日はダメだよ」
 周助は色素の薄い瞳を閉じて、何かを堪えるように言った。



 学校からの帰り道。いつものように手を繋いで仲良く帰る二人の姿があった。
 12月という季節柄寒いこともあり、二人は寄り添うように歩いている。
「母さんと姉さんが明日までいないんだ」
「え?じゃあ夕食はどうするの?」
「久しぶりに自炊だね」
「周くん料理できるの?」
「ああ、少しならね」
 は緩く首を傾げ、口元に指先を当てた。これは彼女が何か考える時の癖だ。
 周助がの言葉を待っていると、 彼女は瞳を輝かせて周助を見上げた。
「私が作りにいってもいい?」
「え?が作ってくれるの?」
「ダメかな?」
「ダメな訳ないよ」
「よかった。…周くんに手料理を食べてもらうの夢だったの」
 頬を淡く染めて微笑むに周助はクスッと微笑む。
が作ってくれるなら、いつでも大歓迎だよ」



「お願い。もう少しだけでいいから、周くんの傍にいたいの」
…」
 懇願する恋人を周助は息を詰めて見つめた。
 そんな瞳で見つめられたら、止められなくなる。
 でも、君が好きだから。
 誰よりも何よりも大切だから、大事にしたい。
 周助は首を横に振った。
「ダメだよ。…これ以上一緒にいたら僕はを傷つけてしまう。だから、そうなる前に帰ったほうがいい」
 いまならまだ理性がある。
 だから…。
 はキュッと自分の手を堅く握った。
「…それでもいい。一緒にいたいの」
、言ってることわかってる?」
「…わかってる…」
「君を抱きたいってことだよ?」
「……うん」
「ホントにいいの?いやなら今のうちだよ?」
 周助の理性も限界に近づいていた。
 無理にを抱いて傷つけたくない。
 そう考えていた周助にとっての言葉は嬉しいものだ。
 けれど後悔をさせたくないから、必要以上に訊いてしまう。
 は周助の首に両腕を回してギュッと抱きつき、彼の耳に唇を寄せた。
 あなたが好き。…周くんだから…周助じゃなきゃイヤ…。
 小さな囁きが周助の鼓膜を揺らす。

 周くんが好き

 誰よりも大好き

 言葉じゃ足りないの

 もっと大好きって伝えたいの

 周助はの細い腕をほどき、長い指での顎を捕らえて優しく口づけた。
 の柔らかな唇をキスで塞いだまま、華奢な体が傷つかないように抱きしめながらフローリングに押し倒す。
 名残惜し気に唇を離してを見つめると、周助を見上げる黒い瞳がとまどいを含んで揺れていた。
 微かに震える身体が緊張を周助に伝えてくる。
 けれど、もう止められない。

 が欲しい。

 周助はの前髪を撫でるように梳いて額にキスを落とし、優しく微笑む。
「優しくするから、怖がらないで」
「…ん」
「僕のことだけ考えていればいいから」
「周くんのこと、だけ?」
「うん。ほかのことは何も考えなくていいから、僕に全て預けて」
「…うん」
 は黒い瞳をゆっくり閉じた。
 最初は啄むように。次に貪るように深く。周助はにキスの雨を降らせる。
 柔らかな唇を味わうようにキスを落としながら、周助の手はの制服を脱がせていく。
 少しずつ露になる白い肌に、周助は指を、唇を、這わせる。
 周助の唇がの首筋、鎖骨、胸に触れては離れ、所有の印を刻む。その度に白い肢体はびくりと震える。
「…っあ…んっ……っ」
、好きだ。…大好きだよ」
 周助は熱にうかされたように囁いて、 の体の隅々に手と唇をゆっくりと這わせる。
 周助に服を脱がされ、全裸にされて恥ずかしいと感じる間もなく、彼の熱い手と唇と甘い声に思考が溶ける。
「…ふっ…うんッ…」
「僕の…僕だけの…」
「…っ…あんっ…」
 周助の唇がの下肢に近づくにつれ、彼女の甘い声が大きくなり耳に届く。
 彼女の花弁に指で触れると、華奢な体が大きく跳ねた。
「やっ…ダメッ…待っ、てっ…」
「怖い?」
 周助がの乱れた長い髪をふわりと優しく梳きながら訊く。
 彼女は小さく頷いた。
 周助はの唇に触れるだけのキスをした。
「大事にするから、に触れさせて」
  周助はの唇を今度は深いキスで塞いで、花弁へゆっくり指を挿入した。
  誰も受け入れたことのない秘部に触れられ、周助によって与えられる感じたことのない感覚にの思考は停止する。
「……んっ……っ」
 口元に手の甲をあて喘ぎ声を上げるの顔に苦痛の色がないのを見て、周助は挿入する指を増やした。
「っあ…」
、痛くない?」
 挿入した2本の指はそのままに、周助はの顔を覗き込んで問う。
「んっ…や、おかし…くなっ…」
 蒸気して真っ赤になった顔では首を横に振る。
「大丈夫だから、そのまま僕を感じて」
「やっ…ん、変な声でちゃ…っ」
「すごく可愛いよ、
 周助は愛しそうに色素の薄い瞳を細め、蜜の溢れ始めた花園に入れた2本の指で抜き差しを始めた。
 内壁を擦るように撫でると甘い声がの唇から零れる。
「…ん…っ…しゅうっ…」
 彼女の感じるところを見つけた周助は、そこを何度も攻めた。
「っ、やっ…あっ」
 周助は掠れた甘い声を上げるの中から指を引き抜いて、彼女の細い足を左右に開いた。
 指を引き抜いた花園に唇を寄せ、溢れるの蜜を舌でなめとる。
「っ、しゅ、うっ…っ」
の蜜、もっと欲しい」
 周助の舌はくぼみを何度も行き来し、滴り落ちる蜜を味わう。
 くちゅくちゅと響く卑猥な水音が恥ずかしくて、は耳まで真っ赤に染めた。
「しゅっ…や、んっ…周く…っ」
 甘くて可愛いの声に周助は彼女の下肢から顔を離し、彼女の唇に優しくキスをする。
「好きだよ、
「…わ、たしも、好き」
 黒い瞳を潤ませて応えてくれた彼女の唇にもう一度キスをし、周助は腕を伸ばして2本の指を再び花園に挿入した。
 の体がびくりと震える。
「あっ…っ」
 の中がうごめき、周助の指をきゅっと締め付ける。
「気に入ってくれたみたいだね」
 嬉しそうに言う周助に、はこどもがだだをこねるように左右に首を振る。
 そんな彼女の仕草が可愛くて、周助は微笑みを深めた。
 中に挿入した指を広げてバラバラに動かすと、の唇から甘く掠れた喘ぎ声が零れる。
 そのうちには、周助の熱と繰り返される甘い囁きに意識を飛ばした。


 周助は荒い呼吸をつくをお姫様抱っこで抱き上げて、傍らのベッドに運ぶ。
 いつのまにか上半身が裸になっている周助をは見上げた。
「……周くん」
 蒸気して赤く染まった頬で自分の名を呼ぶの唇に軽くキスをする。
「少し待ってね」
 周助はベッドから離れてクローゼットのほうへ足を向けた。
 彼は何かを出したようには見えた。
 待っていると、戻ってきた周助は手に何かを持っていた。けれど、それがなんであるのかにはわからない。
 なんだろうと見ているの視線の先で、周助がベージュのパンツのボタンを外した。脱ぐのだと察したは、半身転がって周助から視線を反らす。
 周助は可愛い反応をする恋人にクスッと微笑み、全裸になると持ってきたゴムを装着した。
 ベッドの上に周助が上がると、スプリングがきしむ小さな音がした。

 恋人の上に跨るような態勢になり、赤く染まった柔らかな頬に右手でそっと触れた。
 は一瞬びくっとし、周助に黒い瞳をそっと向ける。
「いい?」
 周助の優しい声に、は腕を彼の首に回して抱きついた。
 大好き、と可愛い声が耳元で囁く。
「愛してる、
 周助は瞳を細めて微笑んで、彼女の唇に優しいキスをした。
 そして、蜜で潤った花園に熱くなった楔を押し当て、ゆっくりと慎重に挿入していく。


「……っ…いた…っ」
 シーツに赤い血が落ち、微かな血の匂いがする。
 のまなじりから涙が溢れ、耳元へ伝い落ちる。
 周助は彼女の涙を長くしなやかな指で、いたわるように拭った。
「痛い思いさせてごめん」
 その言葉には緩く頭を振って、周助の背中に回している両腕に僅かに力を込めた。
 そして周助の耳元で途切れ途切れに囁く。
「…周くん、だから…痛く…ても幸せ、よ」
 涙に濡れた瞳で健気に言う恋人を、周助はきつく抱きしめ返した。

 愛しくて愛しくて

 狂おしい程に愛している

 もっと深いところで君を愛したい

「言葉だけじゃ足りない」
「…うん…」
「もっとが欲しい」
「周…くん…」
「もう少しだけ我慢してくれる?」
「ん」
 が頷くのを見届けて、周助は再び腰を動かした。
「あ、んっ…っあ…は、うッんぅ」
ッ」
 優しくしたいという心と裏腹に周助の体は貪欲にを求めて突き動く。
 激しく、強く。
 突き上げられる激しさに耐えきれず、は周助の背中に爪を立てた。
「しゅ…うくっ…んっ」
 が瞳から涙を零しながら、自分の名前を甘く呼ぶ。
 それに応えるように、周助は腰の律動を速めていく。
 細い腰を引き寄せ更に突き上げると、の口から高い声が上がった。
 しだいに痛みが薄れ、心地よい快感に落ちていく。
、好きだ…っ」
「…しゅうっ…く…す、きっ」
っ」
 猛った楔をぐっと突き上げると、細い体がしなった。
 つながったところからぐちゅぐちゅと卑猥な水音が溢れて、静かな室内に響く。
「は…っ、ン、しゅう…ふ、あっ」
 愛しい恋人の乱れる姿に、周助はたまらず口づけた。
っ」
「しゅ…うっ…あっ、ん…んっ」
「っ、君は、僕のものだ…っ」
「っあ、んッ…はぁっ、しゅ…すけぇ」
「…っ、、愛してる」
 ひときわ強く突き上げられ、の意識はそこで途絶えた。



 柔らかな感触。
 腕の中に感じる温かな体温。
 情事が終わったあと後始末をし、彼女の家に連絡を入れた。
 その間も気を失ったままのを抱きしめて、周助は眠りについたのだ。
 初めて見る彼女の寝顔を愛おしく見つめていると、ゆっくりと瞳が開いた。
 は何度か瞬きをしたあと、周助の姿を目に止めて頬を赤く染めた。
 そんな恋人が可愛くて、愛しくて。周助はクスッと笑っての唇に軽くキスをした。そして、にしか見せない笑顔で口を開く。
「おはよう、
「…お、は…よ」
「大丈夫?」
 周助はを更に抱き寄せ、彼女の黒髪を撫でながら訊く。
 は恥ずかしさに耳まで赤く染めて、でも嬉しそうに答える。
「うん、周くん優しかったから。…でも…」
「でも?なに?」
「ん、なんでもない」
 は緩く首を横に振った。無断外泊の上に朝帰りをすることになって、両親に怒られない筈がない。けれど、そんな事を恋人には言えない。
「大丈夫だよ」
「え、何が?」
の家には連絡しておいたから」
 考えを見破られていただけでなく、家にまで連絡済みだと告げる恋人には驚いた。
は僕が責任もってお預かりしますって言っておいたから、安心していいよ」
「怒られなかった?」
 困ったように笑う周助の顔が、その時の様子を物語っている。
「でも、覚悟はできてるよ」
「覚悟?」
「君のご両親に殴られる覚悟」
 は意味がわからなくて、首を傾げた。
「学校に行く前にのご両親にご挨拶にいくよ」
「そっ、ダメッ!周くん殴られちゃう!」
 は青くなった。
「けじめをつけたいんだ」
「どう…いうこと?…後悔してるの?」
「そんなわけないだろ。早とちりしないの」
「だったらどうして…」
を一生大事にしたいから、許可を頂きに、ね」
 は驚きに黒い瞳を丸くした。
「一生…?」
「うん、一生。…18歳になった時もう一度言うけど、今も言わせて」
「え?」
さん。君を愛しています。僕と結婚してください」
 息が止まる。
 瞬きもできなくて、ただ周助を見つめていた。
「今は約束しかできないけど、僕が18歳になったら正式にプロポーズするから、待っていてくれる?」
「はい」
 は瞳に涙を溜めてしっかり頷いた。
 周助はの左手を優しく取り、誰よりも愛しい恋人の薬指に約束のキスを落とした。




END



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