せっかくの休日。
お天気のいい日曜日。
今日はどこに行こうかな、なんて思ってたのに…。
朝から来たメールで、わたしの今日一日の予定は大幅に変わったの。






Little Prince -extra ver.-






「おはよう、 vv」

「もしかして……不二くん?」

「うんv」

チャイムを鳴らして、大好きな彼が出てくるのを待っていたわたしは、
開いたドアの向こうにいつもの笑顔がなかったことに驚いた。
そんなわたしのスカートがくいくいと引っ張られたことに何となく不安を感じて…。
見下ろしたら、ドアのノブの高さにも満たないところに、天使の笑顔があった。

「あさおきたらね、またちいさくなってたんだ」

「………なんで?」

「さぁ…だから にきてもらったんだよ」

「どうして?」

「きょうは、 をさそうつもりだったからねvv」

「!」

いやーーかわいいっ!!
ノブを握った手が震えちゃうじゃない、そんなこと言われたら!
わたしを誘うつもりだったって?
もともと?はじめっから?
わたしは、思わず顔をそらした。
だって久々で直視できないんだもの…。

「………めいわくだった?

「うっ………」

「ごめんね…ぼく…」

「うっ、ううん!!嬉しいよっ!!」

「そう、よかった(にこ)」


わたしの態度が悪かったんだとは思う。
単に久々の笑顔にやられてただけなんだけど。
だけどね…しゅんと肩を落として俯かれたら、ねぇ。
思わず叫んでた。
だってだってちっちゃい不二くん、好きなんだもの!!


「ね、 。しゅーしゅけ、だよ」

「ん?」

「なまえでよんでくれるやくそくでしょ?」

「あ…そーでした。えっと、しゅうくん?」

「なぁに? vv」

はぅ!
リビングにたどり着いて、再び満面の笑みを浮かべたしゅうくん。
だからそれは反則ーーっ!
でもねでもね。
すっごく……気になることがあるんですけど…。

「しゅうくん、おうちの人は?」

「みんなでかけてるよ」

「……夜には帰ってくるの?」

「たぶん、だいじょうぶだとおもうけど…ねぇ 。ぼく…」

「ん?どうしたの?しゅうくん」

「あのね…」

ちょっと恥ずかしそうにわたしを見て、言葉を濁す不二くん。
なんだかすっかり慣れたなーとか思ってたけど、
いつもは見せない素直な表情の変化がめちゃめちゃかわいくって困る。

「あのね…ぼく、おなかすいちゃった…」

「……っ!!…」

くらくらとめまいを感じた…んですけど。
どうしてくれよう、この可愛さ!!
もう、おねーさんなんだって作ってあげちゃう!!

「ふじく…じゃなくって、えっと…しゅうくん?」

「なあに?」

「な、何が食べたい?」

「うーん… にまかせるよvv」

な、なんだか新婚夫婦みたいだわぁ…なんて、このサイズなら子供との会話…はっ!
い、いけないわ…不二くんとの子供を想像しちゃうなんて……(照)
ってもう、このサイズの不二くんを見てると…おかしくなりそうだよぅ!!
え、えーっと、不二くんの好きなものって確か…辛いものだっけ。
ちっちゃくても大丈夫かな……。

「しゅうくん、やっぱり辛いものがいいかな?」

「そうだね。 がつくってくれるなら、なんでもおいしいとおもうけど?」

「あはは…じゃ、がんばるね」

「ぼくもてつだうよ、





◇◆◇◆◇





「……さすが不二くん家だね…」

「どうかした?」

冷蔵庫や調味料の入った戸棚を開けて、わたしは納得して頷いた。
あり得ない数の調味料。ありとあらゆる香辛料。
冷蔵庫にはどのくらい買い物にいかなくっても平気なんだろうってくらいの食材。
うーむ、素晴らしいっ。

、ぼくなにをしたらいい?」

「うーん、そうだね…じゃ、これ」

にっこりと微笑んだ不二くんに、タマネギを渡す。
本当はわざわざ剥いたりしないけど、手伝うと言って引かないからね。
でも小さな手でタマネギをぺりぺりと剥いている不二くんはにこにこだ。
うーん、なんてかわいいのっ!
普段では絶対見ることはできない不二くんを横目で見ながら、
わたしは急いでピーマンとセロリをみじん切りにする。

「へぇ、すごいね。

「えっそ、そう?」

「うん。いつおよめさんにきてもへいきだね」

「へ?…しゅうくん、今なんて言ったの?」

「ふふっ」

タマネギ片手にわたしを見てにっこりする不二くん。
わたしは包丁の音でよく聞こえなかったセリフを考えながらも、手を止めない。
渡されたタマネギをみじん切りにしたら、次は…ソーセージとオクラね。
料理を始めたら、つい他のことは忘れちゃうんだよね。



「あ、しゅうくん。少し危ないから…そこに座っててね?」

「うん…わかったよ。みててもいい?」

「いいけど…おもしろくないよ?」

「ふふっ、いいんだよ。ぼくが をみていたいだけだから」

「そ、そう…」

な、なんてセリフを言うんでしょう、この子はもうっ。
照れるじゃないのっ!
頭の中でついつい不二くんとの将来を考えながら、フライパンに向かう。
いつか、こんなふうに……なんて、ね。



「…さて、できたよ。しゅうくん、おまたせ」

「へぇ…こんなのよくしってるんだね、

「ま、まぁ一応…少し勉強したの」

「ふふっ、ぼくのために?」

「う…ん、まあ…そんなとこ、かな…?」

「ありがとう、


にっこりと微笑んだ不二くんは、嬉しそうに「いただきます」と手を合わせた。
小さな口に運ばれていく、赤いスープ。
わたしはつい、じっとそれを見ていた。
一応、辛さは控えめにしたつもり……だけど。

「あ、 …からいー」

「きゃーっ、は、はい水っっ!!」

大急ぎで渡した水をコクコクと飲んで、不二くんは息をついた。
ふぅ、と肩で息をして、わたしをちらりと見る。
すこしばつが悪そうに上目遣いに見る不二くんに、わたしはくすくすと笑った。

「ごめんね、 。すごくおいしいんだけど…」

「(くすくす)いいよ、そうかなって思ってたから…はい」

……」

スープを煮込んでいる間に作っておいたサンドウィッチを差し出したわたしを、
不二くんは驚いたように目を見開いて見つめる。
そして、これ以上はないくらいに可愛い笑顔を見せて、ありがとう、と言った。





「しゅうくん……?」

楽しいランチを終えて、不二くんの部屋で二人でビデオを見ることにして。
先に部屋にあがっていった不二くんのために、後片付けをしたわたしは紅茶を入れて階段を上る。
コンコン、とノックをしても返事が返ってこなくて、わたしは首を傾げながらドアを開けた。
そこにはビデオの準備をしている不二くんの姿はなかった。

「あれ?………あ」

よく見たら、ベッドの端の方。
ビデオを準備していたはずの不二くんは、待ちくたびれたのかおなかがいっぱいになったからなのか。
ベッドに寄りかかるように、すやすやと寝息をたてていた。
机の上にトレイを置いて、そのそばに近づいてみる。

「ひゃー……、かっわいい寝顔……」

隣に座って覗き込んでみれば、閉じられた瞳ときゅ、と握られた小さな手。
頬にかかる薄い色の髪を軽くかきあげるように撫でると、さらさらと落ちていく。
そういえば、寝顔なんて初めて見た…。
ちっちゃい頃も、きっとこんな天使みたいな寝顔だったんだろうな。
思わずくすっと笑って、しゅうくんの頬に軽くキスをした。
そして小さな頭を膝に乗せて。
まるでお母さんみたいだな、と思いながらいつのまにか自分の意識も遠ざかっていった。





◇◆◇◆◇





「ふあぁぁ……しゅうくん…?」

目をこすりながらあくびをひとつして、膝に乗っているはずのぬくもりを探した。
その瞬間、自分が何かに包まれているような気がして。

「くすっ、目が覚めた?

「ん……?」

何故か耳元で聞こえた声に違和感を覚えて、目を開いたわたしは思わず口をあんぐりと開けた。
楽しそうに、嬉しそうにわたしを抱きしめている不二くんを見つけて。

 

「ふ、不二くん…っ?」

「おはよう、

「おはよう…って、いつ戻ったの?」

「うーん…よくわからないんだけど…目が覚めたら、ね」

「そ、そっか。よ、よかったね」

が傍にいてくれたおかげだよ。
 それとも……こうしてくれたおかげかな?」

そう言ってわたしの頬にちゅっと口づける。
わたしは驚いて目を見開いた。
き、気がついてたの……?不二くん。
あたふたとするわたしを見つめて、楽しそうに不二くんは微笑む。

が傍にいてくれるなら…きっと僕は何があっても平気だね」

「不二くん…」

「周助、でしょ?ねぇ、 …ずっと僕の傍にいてくれるよね?」

「…うん、いるよ…ずっと、周助…のそばに」

照れくさくて、胸に顔を埋めてそう言いながら、
そういえば抱きしめられたままだったことも思い出して。
それでも、どんなときでも…一緒にいれたらいいなって思った。
いつもの不二くんも、小さなしゅうくんも…大好きだから。









綾瀬さま、相互リンクありがとうございました。

これからもよろしくお願いいたします。

── Sweet Cafe ──

 

【Sweet Cafe】の花音様より相互記念に頂きましたv

花音さんがリンクの御礼をくださるというお言葉に甘えて、
「しゅーしゅけくんとお料理なんていいですね」とメールでお話したところ、こんな素敵な夢を頂いてしまいましたvvv
や〜ん。しゅーしゅけくん、すごく可愛いよ〜。おねえさんメロメロ〜(笑)
周助くんのためなら、フルコースだって作ってみせるわ。だてに4年も調理の仕事してないわよ(笑)
花音さん、玲さん、これからも宜しくお願い致します。

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