「ねぇ
」
「………ハイ?」
「ぼく、どこにいたらいいかな」
「アハハ…ハ…」
目の前で、ほんの少し困ったように小首をかしげる姿。
いつもする仕草と全く同じなのに、いつも以上に悩殺されかかったじゃないかぁ!
Little Prince - 40000hits thanks ver. -
ことの発端は…発端は、なんだったんだっけ?
えっと、確か。
一緒に勉強しようか、って話になって…うちにつれてきて…。
それからどうしたんだっけ…思い出せない。
っていうか、理由がまったくわかんない。
だいたいこんなこと、あっていいはずないじゃない?
そんなことをぶつぶつと言いながら、テーブルの上を見る。
「ふふっ、
がすごくおおきいや♪」
「フフッ、じゃないって…。っていうか、本当に周助くんなの?」
「うん、そうだよ」
にーっこりと微笑む姿には、確かに見覚えはあるよ。
だけど、いくらなんでも…あまりにも……!!
「なんかすっごく…小さいね……」
「うん」
うん、じゃなーい!
だって今のサイズ……全長15cmくらい。
ね?あり得ないと思うよね?
しかもなぜか着ていた服まで伸び縮みしてるよ!
でもこのニコニコした笑顔は、なんだか嬉しそうに見える。
テーブルの上をちょこちょこと歩いて、わたしの指につかまって。
わたしを見上げている姿が……本気で可愛すぎるんだけど!!
「むー……なんでこんなことに…」
「
…おこってるの?」
「お…おこっては…い…ないケド…」
「そう?それならよかった」
「…ぅ……」
ホッとしたように肩で息をして、わたしを見上げてにっこりと微笑む。
だから、その表情はやめなさいっ!
可愛すぎて、倒れそうになるからっ!!
「ととと、とりあえず…どうしようか。周助くん」
「くすっ、どうしてどもってるの?
」
「や、あのなんでも…ないんだけど」
「ふふ、へんな
」
「…(誰のせいだと思ってるのよ)」
「ん?なぁに?」
「い、いーえ……」
さすがだわ!
こんな、片手にのりそうな大きさでもそこは不二周助!
全く焦りもしないで、素敵な微笑みを浮かべて…。
あああ、でもでも可愛いよーー!!
たとえそれが裏がありそうな微笑みでも、こんなに可愛いのは犯罪だから!!!
うう、ぎゅーーーーーってしたい!!!
「ねぇ
?」
「は、はい?」
「もうちょっと、ちかくにいってもいい?」
「ち、ちち近くって…?」
「だって、
がすごくとおくかんじるんだもの。ね、いい?」
指につかまってる小さな手にきゅっ…と力を込めて。
だから小首をかしげるな!
しかもサイズ的に上目遣い…やばい、マジでおかしくなりそう、わたし。
ぬいぐるみサイズの周助くんが、上目遣いにわたしを見てるなんて……。
あまりの愛らしさにくらくらしながらも、なんとか頷いてみる。
そうしたら、周助くんは嬉しそうににっこりと微笑んで。
あろうことか…。
わたしの腕にちょこちょこと登り始めた。
「か………」
「どうしたの?
」
袖につかまりながらわたしを見上げて、きょとんとして。
いつもは微笑んでいてあまりよく見ることもないけど、
サイズの変化のせいかいつもよりも大きめな瞳がキラキラと輝いてて…。
「……かわいいっっっ!!!」
「えっ…わっ…!」
「いやー!!周助くん、可愛すぎる!!!」
たまらなくなったわたしは、思わず自分の腕を登っている周助くんをぎゅっと抱きしめた。
小さな小さな体は、わたしの腕の中にすっぽりとくるまっていて。
周助くんは、驚いてわたしの服にぎゅっとつかまっていた。
「くすっ。もう…
ったらいきなりなんだから」
「だって可愛いんだもんっ」
「かわいい?ってぼくのこと?」
「うん!もう犯罪的に可愛い!!
ずーっとこのままでいて欲しいくらい!!」
そう言って、小さな周助くんのさらさらな髪を撫でる。
周助くんはくすぐったそうにしながら、それでもクスクスと笑って。
わたしの服に、よりいっそうしっかりとつかまった。
そんな仕草もやたら可愛らしくって。
「ふふ、
ってやわらかくてきもちいいなv」
「へ…っ?」
「いつもそうおもってたけど、ね」
「な…っ」
こんなにちっちゃいくせに、なんてことを言うのっ。
真っ赤になったわたしを、腕の中から見上げてにっこりと微笑んで。
嬉しそうにわたしにつかまっていた周助くんを、思わず投げ出しそうになった。
振り落とされそうになった周助くんは、ますますしがみつきながら笑みを深める。
「たまには
にだきしめてもらうのも、いいね」
「しゅ、周助くん…」
小さいくせに、いつも通り紡がれる恥ずかしくなるようなセリフ。
それに照れるわたしを楽しそうに見上げて。
「ねぇ、
。ちょっとだけゆるくして?」
「え…?」
苦しかったかな、なんて思って腕の力を抜いた。
その瞬間に、頬に柔らかい何かが触れた、気がした。
「しゅ、周助くん?」
「ぼく…
が、だいすきだよ」
「……あれ?周助くん?」
「
。やっと、目が覚めた?」
「……大きくなってる……」
「クスッ、どうしたの?」
目をパチパチと瞬かせると、周助くんはいつも通りの微笑みを浮かべていて。
小さな周助くんは、夢の中にいたことに気づいた。
なーんだ、と呟いたわたしに、周助くんが小さな鏡を渡す。
「なぁに?」
「見てごらん。
ったら急にノートの上で寝るから…」
そう言って、クスクスと笑う。
あまりにも楽しそうな笑い方に、首を傾げながら鏡を覗き込んだら、
頬に…自分が書いた文字が少し写っていた。
「ひゃーっ!は、恥ずかしいっ、ていうかなんで起こしてくれないの?」
「だって、すごくしあわせそうな寝顔だったからね…可愛かったよ、
」
「か、可愛いとかじゃなくて…」
「ふふっ、何かいい夢でも見たの?やけに嬉しそうだったけど」
そう言って笑う周助くんに、恥ずかしさのあまり真っ赤になりながら、ごしごしと文字の写った頬を擦って。
さっきまで見ていた、楽しい夢を話した。
すごく可愛い、小さな小さな周助くんに会った夢。
紅茶を飲みながらニコニコと聞いていた周助くんは、カップを置いてわたしを手招きする。
なんだろう、と思いながら近づいていくと、座ったままの周助くんはちょこん、と首を傾げた。
その仕草に、なんとなくイヤな予感がした。
「しゅ、周助くん?なに…?」
「ねぇ、抱きしめて?
」
「え………っ?」
「夢でしたみたいに…抱きしめてよ、
」
な、何を言い出すんでしょう、この人は!!
わたしはかーっと熱くなった頬を両手で隠した。
そんなわたしをじっと見つめて、周助くんは腕を伸ばす。
「僕だって、たまには
に抱きしめてもらいたいな」
「えぇーっと…あの、それはですね…」
「……ダメ?」
悲しそうに、眉をしかめないでよぅ……。
って言っても、きっと聞いてくれないんだろうなぁ。
うう、恥ずかしいけど、ここはしかたない。
そう思って、ゆっくりと周助くんの背中に腕をまわそうと…したら。
「ひゃ?」
「ふふっ。可愛い、
」
伸ばした腕を掴んで、逆に抱きしめられて。
驚いて声を上げたわたしを、周助くんは楽しそうに見つめた。
「ねえ、
。小さい僕は可愛かった?」
「う、うん。すっごく…可愛かった。離したくないくらい」
「そう。嬉しいな。でも、その間…僕は寂しかったよ?
だって、
は小さい僕と遊んでたけど、僕は1人だったんだから」
「う…眠っちゃってごめんなさい」
「反省してる?」
「はい…」
「じゃあ、ちょっとだけおしおき、ね。目…閉じて?
」
「う…」
耳元で囁かれて、瞳を閉じる。
ゆっくりと落ちてくる温もりに、心臓が破裂しそうになりながら…。
大きくても小さくても犯罪的に可愛くて、優しくて意地悪な周助くん。
だけど…大きくても、小さくても…ちょっと意地悪でも、
やっぱり周助くんが大好きだな、って思った。
40000hitありがとうございますvv
こんな辺境まで足を運んでくださるみなさんのおかげです。
本当にありがとうございますvv
お礼ラストは不二くんがちっちゃくなりました。
しかもいつもよりもよけいに小さくなっております(笑)
ちび不二くんと少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
ではでは、これからもよろしくお願いいたしますv
『Sweet Cafe』
── Kanon ──
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【Sweet Cafe】様、40000HITS記念のフリーを頂きました。
周助くん以外に、跡部君、観月君もフリーにされておりましたが、
ちいさなしゅーしゅけくん大好きなもので…。即、拉致させて頂きましたv
腕によじ登る周助くん可愛すぎますvvv
可愛くて甘い夢をありがとうございました。 これからも楽しみにしております。
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