【不二周助】

「この赤、似ている」

思いがけない言葉に視界を隣の存在へ戻す。長時間固定した頸部の痛みと含みある笑顔に、私は首を傾げた。

「キミが愛用している口紅の色」
「え?」
「好きなんだ、こういう赤」

再び彼は月を見上げ、私もそれに倣う。

「綺麗だからね」

最上級の誉め言葉と同時、互いの指先が繋がった。



txt by.千春様(Operaglasses

千春さんがTwitterに皆既月食(2011.12.10)のSSSを書いていらしたので、「不二くんはまだですか」とおねだりしたら書いてくださいました(≧∀≦)しかも私と不二くんをイメージして書いてくださったって…!嬉しすぎて感涙。
期間限定でフリー配布されていたのでいただいてきました。

背景:.プレ天文

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